Aya

29歳問題のAyaのレビュー・感想・評価

29歳問題(2017年製作の映画)
3.5
なんの話かはわかんなかったけど、グッとくるとこが多かったですね。

元々は「29+1」という舞台があるそうで、エンドロールに映画の撮影模様と舞台版が映るんですけど、美人な監督だなーと思ったらこの人が舞台版の主演女優をやってるんですね。
だからこの映画も舞台の始まった2005年に設定されています。
日本語タイトルの「29歳問題」って結構いいですよね。

でもこの映画で描かれるテーマとしてはあまり年齢は関係ないです。

自分の人生とは?
生き方、考え方の話なので。

容姿端麗、仕事もバリキャリ、数分ごとにタイマーをかけるまさにできる女のクリスティとぽっちゃりレコード屋店員でいつも明るいティンロ。
何の接点もなさそうな同じ生年月日の二人。
30歳の誕生日をひと月後に控え、焦りまくりのクリスティ。仕事は順調だが彼氏とはすれ違いばかり。

そんな彼女をさらに追い詰める突然のマンション退去命令。
昇進して仕事しまくりで部屋を探す時間がない!とのことで元大家の姪であるティンロの部屋を一時的に借りることに。
部屋に行くとビデオが置かれており「私は念願のパリ旅行に行って来るから自分の部屋だと思ってくつろいで!」というティンロからのメッセージが。

仕事でもプライベートでも大変なクリスティ。
そんな中、部屋で見つけたティンロの日記a.k.a自伝に目を通すと・・・。

まあオープニングのクリスティの朝の出勤準備がもはや爆笑&共感でして。
テンポも良く、身に覚えしかねえ!
あれ、表にしてくれたら時計とかアクセの付け忘れなくなるのに・・・。

傍目にはクリスティは美人で友達も多くて仕事もできて、あまりパッとしない容姿で友達は幼馴染のイケメンだけ。仕事もレコード屋のバイト、というティンロに比べると超エリートでいいじゃん!って感じなんやけど、実はクリスティも彼氏との問題や大好きな父親が認知症だったり昇進して変に周りと距離ができたり・・・あまり彼女は幸せそうに見えない。

それに比べてティンロはバイト先のレコード屋の店長は家族のようだし、唯一の友達のイケメンはティンロとはバディレベルの仲良し。
そして常に笑顔を絶やさない。楽天的で何でも楽しめる。
そんなティンロにはある秘密が・・・。

日記a.k.a自伝には
「自分に劣等感を抱く時ってない?」と書かれているが、クリスティはきっぱり「ない。私は常に努力してきたから」
と答えたり、考え方そもそもがこの2人結構違うんですよ。
でもね、考え方ってね、変わるんだよ人間。

ティンロは終盤にこう言います。

「人生には自分ではどうにもならないことが起こる。でも受け取り方は自分次第でどうとでもなる」

と。
すげえいい言葉だな、って感動した。

いや、途中はこの2人のあまりの格差とティンロのイケメン友達とかクリスティのいー!!って感じとか含めて、これちょっと待て!
実は同じ人物でどちらかが妄想だったとかそういう女のヤバいやつじゃね?って背筋が冷たくなりましたが、そうではなかった。

いきなりシリアスになったりファンタジックになったり、えっ・・・と戸惑う場面もありますがw

あのティンロがイケメンに秘密を打ち明けて、あるお願いをするのですが、そのくだりが爆笑でした。
「今?」
今じゃなかったら何だってんだよww

私はこの映画を見て、いろんなことに少し前向きになれたし、普段は興味もない家族に会いたくなりました。

全然関係ないけど、これと台湾映画の「53Hzのラブソング」を続けて見たのですが、広東語と北京語が全く違うのに驚きました。
まあどっちもビタイチわかんないんですけどw


日本語字幕:鈴木 真利子
Aya

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