カズナリマン

29歳問題のカズナリマンのレビュー・感想・評価

29歳問題(2017年製作の映画)
3.2
ぜったい舞台版のが面白い!

香港の化粧品会社で働くキャリアウーマン、ヨックワン。
30歳の誕生日を目前に控え、昇進のプレッシャーや彼氏とのすれ違いにより行き詰まった彼女は借りていたマンションからも一方的に追い出されてしまう。
ひょんなことから旅行中の女性、ティンロの部屋を借りることになったヨックワンは部屋で見つけたティンロの日記を読み始めるのだが…。

香港で大ヒットしたという本作ですが、原作は本作の監督、キーレン・パンが12年間つづけた一人芝居。
なるほど、こりゃ芝居でやったらいいわ!きっと!
映画で登場した二人の女性を舞台版ではキーレン・パンがたった一人で演じたらしいのですが、エンドロールでちょっとでてくる舞台版を見る限り、これは一人二役が正しい!と思うのです。
映画版は映像化するにともない、イケイケキャリアウーマン、ヨックワンを超絶美人女優が。ダメダメ天然女性をぽっちゃりメガネ女優が演じます。対比はわかりやすいのですが、それを演技力やコスチュームでカバーした舞台版のなんと面白そうなことか!(エンドロールで流れただけですが)
観客に余計な詮索をさせないためにも、映画版でも一人二役で行って欲しかった!

あと、映画版ですと、時間がいったりきたりする編集があるのですが、それがなんかいたずらにわかりにくいだけで、監督の未熟さが露呈してしまっているように感じました。
あんなスタイリッシュな編集とかいらないのに…
もっと正攻法ドラマ映画でも面白さは出せただろうに…
映像化!ってんできばったんでしょうなあ、キーレン・パン監督。もったいない!

いやいや、でも主役の女性ふたりは魅力的だったし、きっと見に来た女性たちは感動したにちがいない…と思って劇場をでたら女性ふたりのお客さんが「舞台版のがぜったいいいよねー」といっておりました。ほらね!