その後の「ダンケルク」。
地味だが節度ある良作でした。
空襲にみまわれても
悲しい出来事が起きても
涙を一筋流しながら
毅然とした表情で前を向き
映画を完成させようと奮闘する
カトリンの逞しさにはすずさんが重なった。
どうして「映画の中で映画を作る」内容に毎度私たちは引き込まれてしまうのだろう。
製作者たちの笑わせたい、勇気づけたい人達は誰なのか
次第に明確に見えて来るからか。
ありとあらゆる難題を冴えたやり方でクリアしていき、カタルシスでラストを迎えるのかと思いきや
え?それ必要?
と、本映画製作者たちに問いたくなる衝撃の事件が起きて
さてどうなるとカトリンを見守っていると
挫けなかった女性だからこその展開を導き出して
映画の中も外もラストシーンに感涙する素敵な仕掛けに。
ロケ地の夜に製作チームが酔って歌い出すシーンは心温まりました。
ビル・ナイ、いい役だなあ。
明日は、映画なんて観られないかもしれない。
映画作りどころじゃなくなるかもしれない。
大切な人を喪ってもなお
カトリンとビル・ナイ達が
虚構の完成に尽力するのは何故か。
お偉方に命令されただけのつまらない嘘で人々を勇気づけられるもんかよ。
事実より真実だ!と四苦八苦した結果
カトリン自身がいつの間にか
映画に救われていたのだと
分かった時の静かな感動。
海辺の撮影シーンのほのぼのしたロマンスが心に残っている。