カツマ

人生はシネマティック!のカツマのレビュー・感想・評価

人生はシネマティック!(2016年製作の映画)
3.6
良く言えば王道、意地悪に言えば古臭い。でもそれは意図的にこの映画を『昔の映画っぽくする』ことによって、映画作りに励む人たちの情熱と苦労と喜びを表現しようという、作り手側の熱い想いが伝わってくる!
脚本サイドからのアプローチを軸にして、ダンケルク救出作戦を題材にしたプロパガンダ映画が完成するまでを、群像劇風にドタバタとした早急なテンポでお送りする、映画への愛に溢れた作品だ。
配役陣の中では名優ビル・ナイが圧倒的な存在感!現在の彼の立ち位置とも微妙にリンクしているような、自虐的な演じ方が妙にコミカルで面白い(笑)

ときは第二次世界大戦時、ナチスドイツとの血みどろの激戦はついにはイギリス本土への空襲という形となり、激しさを増していた。
ロンドンではダンケルク救出作戦を題材にしたプロパガンダ映画の製作が開始され、そこにはもちろん戦争への士気を高めるための意図があった。この一大プロジェクトの脚本家に選ばれたカトリンは女性視点を期待されての抜擢で、脚本家チームのリーダーバックリーからも早々にその才能を認められることになる。
だが、映画の製作は序盤から難産となっていた。ベテラン俳優のヒリアードは出演を渋り、製作サイドからはアメリカ人を起用せよとの無茶ぶりまで降ってくる始末で・・。

この映画は徹底して王道の作りになっていて、物語はメロドラマ風のロマンチックなテイスト。ピュアでいじらしく、少しばかり古臭いところも、大袈裟なくらいに真っ直ぐ投げ込んでくるので逆に気持ちよくなってくる。劇中のセリフがそれこそ修正前の生の脚本のようにたどたどしくて、そんな作為的に用いられる未熟さや未完成さが何とも愛らしい作品でした。