藻類デスモデスムス属

インターチェンジの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

インターチェンジ(2016年製作の映画)
3.5
まじる。マ汁。交じる。混じる。雑じる。錯じる。これらはすべて「まじる」と読む…。マ汁、すなわち、マレーシア汁たっぷりの、異国風神話型犯罪サスペンスを見た。「インターチェンジ」、それは混雑する都会で起きた、幾つかの幻想と人生の交錯。隣接する高層アパートメントのバルコニーを跨いで、視線が交わった、その瞬間から。それぞれの物語が、渋滞もなく、高速道路のように進行していく。しかし近代社会的に洗練された虚構を摸倣するだけでは、見やすくても、古びれていて。マレーシアの監督、インドネシアの俳優、ボルネオの伝説、その地域固有の情緒と体液とが混じることによって、この新しい種は産まれ落ちた。林立する都市ビル、密集する人口、混在する森林、交流する民族。雑じり合うクアラルン“プール(溜まり場)”で、未来と過去が出遭う今。横眼を流れゆくガラス板越しの景色の中で、「如何なる錯乱に掠めら」れても不思議はない。標本のような惨殺死体、霊感豊かな古代の部族、神の化身の鳥の羽撃き。「まじる」現在はいつも、乗り合わせた者に、変化を突きつけ。恐らくは、それに従うしかないのだろうと思う。一度侵入してしまったら、下りることは出来ないのだから。次のインターチェンジまで。