ゆみな

誰がための日々のゆみなのレビュー・感想・評価

誰がための日々(2016年製作の映画)
3.2
ただただ、苦しい

責任感が強く、真面目な人ほど心を病んでしまうのではないか…?
母親の介護を1人で請負い、その最中の事故で母親は死亡。ショックで双極性障害となってしまったタン(ショーン・ユー)。精神病院から退院したばかりのタンは、長年離れていた父と狭いアパートでの生活を余儀なくされる。父親はタンにどう接していいのかわからず、病院の先生に言われた通りにする他ない。世間は精神病患者に冷たく、ますますタンの居場所は失われていく。

これ、結構ずーっと観ているのがキツくてね、タンが可哀想だなぁ…って気持ちは勿論あるんだけど、真面目さ故に頑張り過ぎてしまって周りの人間を傷つけている節もあり…明るい未来を夢見ていた彼の婚約者は人生のドン底に突き落とされ…宗教へと身を委ねてしまうんだから苦しいことこの上ない。

精神を病んだだけだのに、社会から排除されるかのような風潮は生きていく上でキツすぎると思う。タンとまともに接してくれたのが同じアパートに住む子供だけ…って言うのが切なすぎて胸が締め付けられる。

ラストはやっと、少しだけ親子関係が改善されたような。父親がアパートの住人に放つ言葉に子を想う気持ちが強く感じられました。

いやー、ほんとに苦しかったけど観て損はない1本だと思う。介護は1人で頑張りすぎちゃいけないね。
ゆみな

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