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ジャコメッティ 最後の肖像のmiumiuのレビュー・感想・評価

4.8
スタンリー・トゥッチ監督・脚本作品。
1960年代のパリ。アメリカ人作家のジェームズ・ロードが、友人でもある彫刻家ジャコメッティに頼まれ、肖像画のモデルをすることに。
すぐに終わるはずが、ジャコメッティの気まぐれや周囲の人が持ち込むハプニングでなかなか絵が完成しない…帰国できない…

これはかなり好き!(ただしだいぶ個人的な好みなのでスコアは参考になさらずに。)
ジャコメッティが肖像画に使う絵の具のごとく、グレーがかった色調、ヨーロピアンな音楽。アーミー・ハマーも美しく撮られていてずっと観ていられる。ジャコメッティ役のジェフリー・ラッシュは当然上手い。

心理サスペンス的な話なのかと思いきや、それほどでもなく。芸術家の生活やアトリエ、独特の感性を垣間見る感じ。
振り回されて困りつつ、完成作品を見たい主人公の気持ちもちょっとわかる。
そして、芸術作品をどこで「完成」とするのか。ラストは「え、そんなことで?」で、ジャコメッティのある意味可愛らしい人間味が見えた。
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