ジャコメッティ 最後の肖像の作品情報・感想・評価

「ジャコメッティ 最後の肖像」に投稿された感想・評価

作る人というのは、やはり狂っていないと駄目なのだ。個人的に、とても刺さる台詞に出合えて嬉しかったし、「それでいいのだ」と背中を押してもらえた気がした作品。

ジャコメッティの作品に初めて出合ったのは、結構昔だ。中学生とか高校生の時に、母に教えてもらった。あの異常に細長い人たちは妙に物哀しくて、とても印象に残った。

でも不思議と、彼がどういう人だったのかはこれまで知らずに過ごしてきた。
例えばピカソなら彼のキャラクターはいろんなところで目にできるし、モネ、ゴッホ、ゴーギャン、ポロック、モディリアーニ等は優れた映画化作品も多数あるから、それらの作品を通して人となりをつかめてきたと思う。

この作品を知ったのは、元々キノフィルムズのラインナップ発表だった。
キノは良い作品を多数手がけていて、個人的に今熱いレーベル。最近だと「ハクソー・リッジ」「パディントン」「パトリオット・デイ」あたり。面白い洋画をたくさん配給してくれるところだ。

そこで知って、自分で調べて、ジェフリー・ラッシュとアーミー・ハマーじゃないか! ジェフリーがジャコメッティやるのか!と興味が湧いた。そういう流れで本作に出合った。
だから、ジャコメッティ本人のことが知りたくて本作に行き着いた訳ではないのだ。僕の中ではキノフィルムズが手がけるんなら面白いだろう、という信頼があって、キャストを見てあらすじを読んで予告を見て、という流れで作品に近づいていった。

そして、見た。
話の構造としてはかなりシンプルだ。どこか演劇的でもある。時間は逆行せず、淡々と進んでいく。フラッシュバックもない。モノローグもほぼなかったように思う。ジャコメッティの絵のモデルになった作家が奔放な彼に振り回される、言ってみればそれだけだ。ある意味、とても手堅い。

観客は椅子に固定されて、淡々と続く作品を見る。一緒になって笑うとか泣くとか、そういう役割はいらない。ただ、ジャコメッティその人を観察するだけ。感覚的には、美術館や博物館、資料館なんかのライブラリにある記録映像を見る時みたいな。みんな無言でじっと見る、あの感じだ。映像で語られる情報を得る、そのことに観客が注力するというか。

ただ、この作品においては、多分ものを作る人とそうでない人で、受け取り方が変わる。

これは区別とか差別とかではなく、ものを作る人というのは他者とどこかズレている。僕はそれがある種授かりものだと考えていて、自分に才能があるかはわからないけど、ものを書く仕事に就けたのはこの「異常性」があったからだと思っている。
例えば何かに対する異常なこだわり、目の付け所、そういった部分、協調性や社会性と引き換えにして得たある種の「才能」。

自分が高い能力を有しているとは思えないけど、本作でとても嬉しかったのは、「おかしくていいんだ」と言ってもらえたこと。そして自分もあっち側だと思えて、すごくほっとして勇気をもらえた。

劇中のセリフで、「アイツは異常な時こそ正常だ」的なものがある。ジャコメッティの弟が言うセリフだ。
ジャコメッティは「死にたい」みたいなことをよく言うし、「こんなんじゃ駄目だ!」って周りを振り回す。自分の中の「美意識」ってやつが彼自身を振り回して、納得できないのだ。

あぁ、わかる……と思った。
才能があるにしろないにしろ、感性と美意識は誰しもに備わっていて、ものを作る人はそれが異常に高い。高いというか、おかしい。普通の人であれば納得したり受け入れたりすることが、できない。そのせいで周りからは煙たがられたりする。

自分も、よく「なんでそんなにこだわるの?」と言われる。社会に出て、受け入れて折り合いをつけることが必要なスキルだと学んだけど、それは仕事を円滑に進めるための「型」として大事だというのはわかったけど、本音を言えばずっと窮屈だ。もっといいものを作りたい、それをみんなに見せたい。その欲望は、なかなか簡単に収まるものじゃない。

だから、ジャコメッティに対して僕は共感するところがすごく多かった。そしてそれは、自分がまだ、社会に歯車の1つとされながらも、大切なものを失ってないってことなのかなって思えて、それは本作からもらえた救いの1つだと思う。

作り手であることの功罪をしっかり描いてくれた作品だった。
みーる

みーるの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

淡々としてるけど、この内容にはそれが合ってるし、退屈しないのはジェフリー・ラッシュの演技が大きいのかな。
ジャコメッティ、まさに私がイメージする芸術家タイプの人だった。付き合いづらいけど離れられない。
本人にすら終わりが見えない製作活動。モデルさせられる方は悲惨だけど、
描きすぎた。だが、まだ足りない
って台詞に全てが込められてる気がした。
ごだ

ごだの感想・評価

3.5
ジャコメッティ爺の人生観ほぼ破戒僧
アーミーハマーの顔が良い
lalamatt

lalamattの感想・評価

4.4

アーミー・ハマー目当てで観賞。彼が肖像画のモデルになるので、よく映る。とくにカメラがズームアップされて顔が画面いっぱいに映される場面は最高だった。
ストーリー自体はあまりないけど、ジャコメッティとジェイムズの散歩中の会話とか、ジャコメッティの奥さんとか観ていると幸福になった。
ジャコメッティの彫刻が癖になる。
あと、ジェイムズが「スパイか?」って聞かれて「そうです」って答えた所はuncle と重なってクスリと。

構える必要のないけど印象に残る映画でした! 二度観てもきっと飽きない!
たろす

たろすの感想・評価

3.2
大変失礼ながら、絵画や彫刻に疎い人間なのでジャコメッティ自体のことはよく知りません。ただ、この作品を見て、天才ってのは難儀なもんだなーと思いました。気まぐれで、偏屈で、突拍子もなくて、人を混乱の渦に巻き込んでいく。だけどいつしか、それが憎らしくも愛おしく…でもやっぱり心憎く思ってしまうのが良いですね。

心の底から参ってしまっても、それでもジャコメッティの魅力に捕らわれて離れられないジェイムズが観ていてとても哀れでありながらも面白かったです。ジャコメッティの弟ディエゴや妻のアネットとのやりとりも面白かった。

なにより、アミハマの顔をどアップで堪能できちゃうところが最高でしたね!!ほんと、どの角度からみても素敵で、ため息が出てしまうほど…。ごちそうさまでした(笑)
咎

咎の感想・評価

3.4
アーミー・ハマーの美しさは堪能できるけど、彼かジャコメッティに興味がなければ大分見るのがしんどい映画かも…芸術はやり直しだ

締めくくり方がちょっと面白い
あかり

あかりの感想・評価

3.0
シリーズアーミーハマー。
あとからじわじわ。よかった、かも。面白かった、かも。もっかいみたいかも。と思うかんじ。
最後の海賊をもっかいみたくなった。
rienbow

rienbowの感想・評価

3.5
アーミー・ハマーの、どアップ顔を堪能できる作品。よっぽどジャコメッティ自体に興味があるとか、アーミーハマー好きという以外はきっと退屈ではって心配になる映画。永遠に終わらないって怖いなって気づいた。ラストの切り上げ方がウケた。
毎日のジャコメッティの活動が描かれて、リアル。ドキュメンタリーのようだった。
natssumi

natssumiの感想・評価

3.4
フランス語のキュートな2曲。
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