MasaichiYaguchi

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.9
「事実は小説よりも奇なり」と言うけれど、95%の視力を失いながらも5つ星ホテルで働きたいという夢に挑戦した青年の実話を基に映画化した本作を観ていると、身体にハンデを持つ人と健常者との在り方を考えてしまう。
若くして視力を殆ど失ったら、盲学校に通ってあん摩マッサージ、指圧師を目指すのが一般的だと思うが、スティーヴィー・ワンダーのように世界的なミュージシャンなったり、シーナ・アイエンガーのように大学の研究者となって博士号を取得したり、ブラインドライターとして成功した松田昌美さんのような人もいる。
とはいえ、本作の主人公サリーが選んだ職業は接客業であり、それも5つ星ホテルとなると、一流のサービスを求められる。
彼は自分のハンデを隠し、大芝居を打ってミッション:インポッシブルに挑んでいくのだが…
東京は世界的な都市でありながらインフラが身障者に優しくなかったが、2020年の東京パラオリンピック開催を控えて改善されつつある。
本作のサリーはホテルスタッフとして、健常者向けの施設や設備に悪戦苦闘しながら、普通の人の2倍も3倍も努力して夢に立ち向かっていく。
そんなサリーの秘密を知る周りの者は、彼が何とか夢を叶えるよう陰日向にアシストしていく。
ハンデを持つ人に対して我々はどうしても「手取り足取り」フォローしてしまいがちだが、彼らは勿論配慮はするものの、その人が自力でやれるように、自立出来るように導いていく。
特に同僚で、ちょっと難のあるプレイボーイのマックスが対等にサリーに接していて、私でもこんな魅力的な友人を持ちたくなる。
そして、サリーに温もりと癒しを与える存在、シングルマザーのラウラが後に皮肉にも彼へ試練を課してしまう。
この試練を含め、様々な無理が祟ってしまうサリーは夢を叶えることが出来るのか?
新たなスタートを切った年の始め、本作のサリーのように仲間と手を携えて夢に向かって頑張りたくなります!