ゆみゆみ

ソウルメイト/七月と安生のゆみゆみのレビュー・感想・評価

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
3.9
中国の作品がこんなポップな色使いで、近代的なんてびっくり。上海や北京は完全なる大都会なんだなぁ。

【あらすじ】
幼馴染の七月(チーユエ:マー・スーチュン)と安生(アンシェイ:チョウ・ドンユイ)。自由奔放な安生とは対照的に優等生で規律正しい七月。互いに信頼し、なくてはならない存在の二人だったが、大きくなって七月は大学へ、安生は流浪の旅に。しかし七月が好きになった家明(ジアミン:トビー・リー)を巡り安生と七月の間に微妙な変化が生じる。

「シチリアの恋」で気になったチョウ・ドンユイの作品と知り、観てみたが、これがすごく惹かれる作品だった。
彼女たちの飾らない立ち居振る舞いや感情の吐露は、中国の勝手な私のイメージを覆す。
魅力的なのは安生。何をするのか予想できない性格と、またあの薄い顔が可愛くて。それに七月も大きな目で愛らしい。自分自身への焦燥感をどこか抱いている。
二人をずっと観ていたい気がした。

中国の今の雰囲気がわかる。昔ながらの中国の家庭の様子もあれば、若い人たちは洋風のインテリアの家に住むんだな。




**ここからネタバレ**







家明が二人を裂いたように見えるけど、実際の二人は凹凸のように、お互いを補完しながら二人一つになっている。家明がいるかどうかは関係ない。
最初七月が凹であり、安生が凸。ところが、ある時から凹凸が逆転する。面白い。

27歳で死ぬと言っていた安生だったが、子どもを産み落として七月の方が27歳で死んでしまう。
やっぱり二人は決して別々の人生を歩んだんじゃなくて、二人の人生は常にピッタリとくっついて切り離せるものではなかった。

家明のための嘘のストーリーが、安生の願望であったのかも知れない。
ゆみゆみ

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