シゲキテオレマ

大和(カリフォルニア)のシゲキテオレマのレビュー・感想・評価

大和(カリフォルニア)(2016年製作の映画)
4.1
よかった。
貧困女子ラッパーがサンフランシスコ(カリフォルニア州)からやって来た 母の恋人である米兵の娘を、はじめは嫌々地元案内するシーケンス。滝クリも吃驚のomotenasiに笑う。ド底辺の『東京物語』といった風情であったが、そこは同い年のガール・ミーツ・ガール。竹下通りなんか行かなくたって仲良くなれるのである。
「韓英恵がラップする」というイメージを抱き過ぎると拍子抜けする人も多かろうラスト。僕も見終えたばかりの時は少し物足りなく感じてしまったのだが、思い返せば返すほど、あれは嘘のない真摯なラストだったのだと確信しつつある。語彙が圧倒的に足りない彼女があそこまでやったんだ。チャップリンが誇りであったサイレントを放棄してまでやってのけた『独裁者』のスピーチ同様、あれはみっともなくても称賛すべきパフォーマンスに相違ない。
「そういえば、家族構成が日本の縮図のようだったなぁ」と後になって気付いたり、何度もインサートされる鰻の意味がぽつぽつ解りかけてきたりと、色々含みのある作品ぽいのでその内いっぺん見直したいと思った。尚、公式サイトに寄せられたCOMMENT群がとても読み応えあるので、それらを読む為だけでも一見の価値あり。