SyoCINEMA

ブライトのSyoCINEMAのレビュー・感想・評価

ブライト(2017年製作の映画)
-
誰しも、心の中にヒーロー俳優がいるものだ。僕にとってそれは多分、ウィル・スミスだ。カッコよくて面白くてエンターティナーで、小中学生の頃の自分の憧れだった。ウィル・スミスが出ているという理由だけで、3時間もある「ALI」を観に行くくらいあの頃の僕は傾倒していた。
勿論今も、大好きだ。

だから本作は、密かに配信日を待ちわびていた作品でもあった。デヴィッド・エアー監督の作品は自分の好きなゾーンとは割と離れててそこまで見てこなかったけど、脚本は「クロニクル」「エージェント・ウルトラ」のマックス・ランディスだし、ジョエル・エドガートンやノオミ・ラパスも出るし。この組み合わせを観ない手はない。

で、観た。もうさ……ウィルがカッコいいんだこれが。。。それだけでもう充分。面白い娯楽映画を堪能できた! 良し! と良い気持ちで終えられた。ベスト10に残るとか残らないとか、そういうのとはまた別の次元で、2時間頭を空っぽにして「かっけぇぇぇ!」って騒げるアツい映画だったと思う。

…というのは表面的な面白さだ。
本作の魅力は、そこだけにあらず。

まず、本作の面白さは、独特な世界観にある。エルフがヒエラルキーの最上位で、人間が中間、オークが最下位。住む場所も隔てられてて、オークは蔑まれてて、っていう設定。まぁこれはわかる。大事なのは、次。これが、現在のアメリカに移植されている。ここが面白い。
普通こういう設定を使うなら、近未来とかに時代設定をしちゃうものだ。でも本作は、あくまで現代のロサンゼルス。ICレコーダーとかが普通に出てくるし、道を歩いてたらオークの子供と人間が並んでるし、妙にリアルでついつい引き込まれてしまう。

でもこれって、少し穿った見方をすれば、差異が顕在化してるだけで、現代社会と何も変わらないんだな、ってハッとさせられる。それは、オークのジャコビーがみんなから蔑まれているのを見たときにハッとする。この世界では、オークっていうわかりやすく醜い存在がいて、差別するのが普通で、良くも悪くも敵意が直線的だ。
でもこれ、オークの見た目が人間と同じだったら? そう思うと途端に怖くなる。構造はまるで同じ、僕らも同じことをバレないように他人にしてませんかと、そう思わされた。
本作の裏テーマは、ずばり差別だ。その辺りの描写がとても良かった。

ただ少し残念なのは、そこの面白さを追求しすぎるとアクションが死んじゃうこと。だから中盤以降はアクションが畳み掛ける展開になるんだけど、僕としては前半のドラマ部分が大層面白かったから、そこをもっと観ていたかった。こればっかしはしょうがない。

アクションをとるかドラマをとるか、どっちがいいかと言えばやっぱり作品の特質上前者になるけど、実は演技派でもあるウィルがいるからこそ、どっちも観たかったなぁというのが本音かな。

設定が良いだけにもっと観ていたくなる。そういうポジティブな感覚に浸れた一作でした。