まー

ファースト・マンのまーのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
5.0
完璧です!
なぜ今年の賞レースに入ってこないのか不思議でなりません。(なんで?)

私、ディミアン・チャゼル監督作品はブルーレイを買って何度も観ているチャゼラーであり、ライアン・ゴズリング出演作はほぼ全て観ているゴズラーですが、ひいき目無し、忖度無しで素晴らしかったです。大傑作だと思います。

今回はなんとディミアン・チャゼルお得意の力業ズドーンがありません!
過去2作「セッション」「ラ・ラ・ランド」は割と飛び道具と力技でラストねじ伏せてる感じ、なんとなくすごいものを観せられてた感がありましたが、今作は正統派な伝記映画の作りながらも、随所にチャゼルらしさが出ていて、もうスピルバーグの後継者決定でいいんじゃない?とまで思いました。

お得意のワンカット(風)の撮影。今回はロケット打ち上げシーン、宇宙船内シーンで1人称視点への切り替えが効果的に使われているのですが、これどうやって撮っているんだろうというすごい映像です。ラ・ラ・ランドのオープニングと同じ手法なのでしょうが、繋ぎ目が全くわかりません。
あと普通に映像がめちゃくちゃきれいなので、IMAXで観れる方は絶対IMAXで観るべき!

音楽は過去2作に続きジャスティン・ハーウィッツ。ジャズが全く関係ない本作にマッチするのか疑問でしたが、非常に効果的に使われてました。特にクライマックスの音楽から静寂へのコントラストが良かったです。
(あ、ラ・ラ・ランドぽい)と思うところもありましたが。笑

ライアン・ゴズリングは完璧です。今更もう言うことはありません。
痩せたり太ったりモノマネするだけが役作りじゃないんですよね。

脇を固める俳優さんも実力派揃いで超好み。ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、シェー・ウィガム、コリー・ストール…ですよ。NASAチームは全員かっこよかった〜。キャスティング最高です。
クレア・フォイはすっぴんのエマ・ストーンみたい(失礼)でライアンとの絡みはなんとなくラ・ラ・ランドっぽい絵でした。唯一凄味を見せるシーンは圧巻でしたね。

ラ・ラ・ランドといえば、ファンには堪らない、絶対ラ・ラ・ランドを意識しただろうという落涙必至のシーンもあります。
そこからのあのラスト。あの着地。そこは原作の良さなんでしょうね。個人的に、最後にご本人登場が冷めてしまうので、それが無かったのもよかったです。

とにかくチャゼラー&ゴズラーは絶対楽しめるので、映画館でご覧ください。「ゼロ・グラビティ」同様、映画館で見ないと損します。
まー

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