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ファースト・マンのmonaのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
2.0
デミアン・チャゼルのこれまでのキャリアを統括すると、一貫して「夢」を持つことの崇高さを捉える少年漫画的なテーマで映画を撮る監督だと思っています。

今作は人類初の月面着陸という偉業を成し遂げたニール・アームストロング船長の物語ということで、とてもデミアン・チャゼルの作家性と親和性が高いように思えます。

今作も過去作に倣って、娘、同僚の死去、訓練など、様々な試練が主人公に与えられますが、特に「セッション」との差別化を図ったのでしょうが、すごく抑えた演出を繰り返します。

それが、この映画を無味乾燥なものにしてるとしか思えません。上映時間140分ずっと、ただただ、リアリティを積み上げるだけのメリハリのない演出が続きます。

そんな今作に私は作家デミアン・チャゼルの頭打ちを垣間見てしまいました。

あくまで私の邪推と私見ですが、過去作と同じテーマを違う演出で撮ること自体はいいけれど、今作は過去作の差別化を意識しすぎて、映画として、機能不全に陥ってるように思えます。

全く別のテーマで映画を撮るか、開き直って、前2作のようなアプローチで作品を撮って欲しいです。
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