みさお

ファースト・マンのみさおのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.9
史上初めて月面を歩いた宇宙飛行士ニール・アームストロングを中心に、1961年から1969年にかけてのNASAのミッションが実話に基づいて描かれた作品。

ニール・アームストロングを演じるライアンの静かな演技は、寡黙な彼が、どんな思いでいるのか?ということをありありと感じられ素晴らしい。

彼の目線からのみ描かれる宇宙船内状況は、外部の情報が殆どなく、彼の視覚と聴覚情報だけで判断せざるを得ない、極端に少ない情報の中、大音響と揺れ動く画面に揉まれた者は、現在のiPhoneにも劣る性能の宇宙船で、勇敢にも月を目指したニールと同じ場所にいるような感覚を得たであろう。

偉大な成功を描く時によくある、状況説明のセリフはなく、それが逆に臨場感を高める。


「ヒューストン、こちら静かの基地。イーグルは着陸した 。(Houston, Tranquility Base here. The Eagle has landed.)」
感涙。

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。(That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.)」
感涙。

ニールがテスト・パイロットを務めていたエドワーズ空軍基地の同僚達は、彼の操縦技術を高く評価していた。彼は「X-15のパイロットの中で最も技術の高かった男」であり、「どんな緊急事態に遭遇しても決して慌てることのない、くそ度胸の据わった男」だった。
そして彼は、月面に着陸できる可能性は50%しかないと思っていた。

アポロ計画は、ロケットや有人宇宙船の開発にともなう関連技術の発展に拍車をかけ、特に電子工学や遠隔通信、コンピュータなどの分野において大きく貢献した。
私達が、いま手にしているスマートフォンもアポロ計画のおかげなのかもしれない。
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