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ファースト・マンのおーつのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.0
「これから月に行くのであった」で終わりにすれば良くない?

ニールアームストロングという人物があのように感情を出さない人物だったか知りませんが、もし事実に即しているのであれば120分かけて彼の人物像の深さ複雑さを見事に描いているとは思う。

となるとですよ、
これってIMAXカメラや実物大セット、巨大なLEDスクリーンを使った撮影が本当に必要なのか?って思ってしまったんですよね。

宇宙に行って、月面に始めて人類が降り立った感動や栄光を描けばあのような視覚効果は上手くマッチしていたと思います。
今作は120分すごく冷たく単調に人間ドラマを描くので、月に行く残りの20分も単調なままになってしまうのが残念すぎる。


「いやこれは栄光とか描きたい映画じゃねーからあれでいいんだよ!」

って反論が来そうですが、
だったら尚更月面のシークエンスは実際の映像を使う程度で事足りたじゃないですか。
もしくは『これから月に向かう』打ち上げシーンで暗転、エンディングが始まってもいいじゃないですか。
これはあくまでニームアームストロングの人間性を掘り下げたドラマなのだから。

今作って全国の300スクリーンとかじゃなくて、単館系だとちょうど良い感じのドラマだと思うんですよね。
一昨年の映画の『ザ・シークレットマン』ってあったじゃないですか。
あれくらいの規模でちょうど良いんですよ。

そして今作はあのデミアンチャゼルが音楽映画以外にトライしているのも特徴で、それを考えると上手くドラマパートと宇宙パートの不釣り合いさはもっと良くできたのではないのでしょうか?

それこそ効果的に当時の音楽を使うとか。
過去作の本領発揮を見てしまっているので、
本領を使わずにこの程度なら本領を使うべきでしょ。


結論を言えば、もっとこじんまりした映画にすればいいのに。
って事を感じました。
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