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ファースト・マンのQRPのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.5
チャゼル監督のこれまでのエモーショナルな作品とは打って変わって、全く感情が表に出ない映画だった。戦後アメリカの象徴、歴史となった一大プロジェクトの実情は決して華やかなものでは無かった。
俯瞰的なショットがほとんどなく、終始クロースアップ映像を多用することで、生きて帰ることが出来ないのではという不安や宇宙船の物理的な狭さを見るものにも感じさせる。
火災事故で仲間を無くした後に全く同じ構図で宇宙船に乗り組む場面が死刑台へと向かう姿に、コクピットが棺桶にしか見えない。
一見何を考えているかわからないし、家族をないがしろにしているようにも見えるので、みんながみんな彼の生き方を肯定しないとは思うけど、あのただ淡々と仕事をこなす姿はカッコいいと思った。息子もきっと誇りに思っているだろう。
久しぶりに静かなるゴズリングを見られて満足した。

2019年10本目
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