Ryo

ファースト・マンのRyoのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.8


盛り上がりも感動も名言も特に出ずものすごい静かな映画に仕上げている。主人公さながらに。

ー亡くした娘カレンー
主人公が亡くした娘の幻想を見る時は必ず死のシーンとなってます。
カレンは一種の死神となり主人公は取り憑かれた形で宇宙に行きます。それまで宇宙船乗ろうともしてなかった主人公はカレンが死んでから乗ることを決意しカレンに近づきたいがために宇宙に行ってるように見えます。

ーテーマは「死」ー
月=死の世界
宇宙船=棺桶

これは昔からギリシャ神話や古事記にある、愛する人を失った者が死に取り憑かれ死の世界まで会いに行く物語なんですね。
ラスト月に行った主人公は月にカレンのブレスレットを置いていきます。

月は死を象徴するもので頻繁に出てきます。出てくるタイミングをじっくり見てみると関連性があります。

ーガラス越しに出会う夫婦ー
これはフランスの監督ロベールブレッソンを意識しています。ブレッソンは自分の殻に閉じこもり自分を愛してくれるかもしれない人と会う時は必ず鉄格子やガラスがあります。さらには主人公視点のものが多いです。デイミアンチャゼルはこれをやりたかったんですね。
そして死に取り憑かれ月に行った主人公は帰ってきて大切な人が近くにいる事を気づきこのラストになりました。


ーカメラワークー
主人公にぴったりくっついて宇宙の映像というのはほとんどないです。広大な宇宙にいるのに狭い宇宙船の中しか描かれません。これは家に帰っても同じで暗くて閉じ込められてるような映像です。

宇宙に行く時もカメラが揺れ実際に我々が行くようだ。この映画は観客に実際に恐怖を体験させる。


ドッキングする時ワルツを流すのは201年宇宙の旅へのオマージュですね。