バナバナ

ワン・デイ 悲しみが消えるまでのバナバナのレビュー・感想・評価

4.0
保険会社に勤めるガンスは、長年闘病を続けた妻が亡くなったところだったが、会社からある交通事故を和解させるよう、仕事を命じられる。
視覚障碍者なのに被害に遭ったミソは昏睡状態だったが、病床を訪れたガンスには彼女の生霊が見えてしまう…。

ファンタジーな出だしだが、ガンスはミソの事を知るにつれ、仕事をそっちのけで、彼女の事故に遭う前の希望を叶えてあげようと奔走する。
しかし結局、立場的に言えば、この二人は真逆なんだよね。
置いていかれた者と、去ろうとする者と。

静かに静かに物語が進んでいくので、佳境にくるまでは物足りない感じだったのだが、ミソがどうして事故に遭ったのかが分かってきたところから、凄く引き付けられた。
ガンスも妻の死をずっと引きずっていたが、ミソを通して、ようやく妻の死にまともに向き合える事が出来たんだね。
余りにも辛い時って、時間が経つか、なにかワンクッションが入らないと、まともに向き合えないもんね。
本来なら全く接点の無かった孤独な二人が、この瞬間だけ、お互いがとても大切な存在になっていたのが良かった。

ガンスを演じているキム・ナムギルさんが、ミソから「おじさん、おじさん」と呼ばれていたのだが、見た目が30代半ば位に若く見えるので、おじさんと呼ばれるのに違和感があった。
これは恋愛物じゃないのよ、と台詞で牽制したのかもしれないが、
それだったら、最初から40代に見える俳優さんを使えばいいのにと、
そこだけちょっとうるさく感じました。
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