ゆみな

ワン・デイ 悲しみが消えるまでのゆみなのレビュー・感想・評価

4.0
私が韓国映画にハマったきっかけが『パンドラ』でキム・ナムギル観てからなんですよね。この映画は劇場観賞したかったんですけど、田舎では上映してもらえなかったと言う……ようやくレンタル開始したので早速観賞しました。とても良かったです。

簡単なあらすじを書いておくと、保険会社に勤めるガンス(キム・ナムギル)が、妻を亡くした喪失感から少しずつ立ち直っていくようなお話ですかね。立ち直るって言うのも、なんか違うかな…冒頭、妻の葬式にも出れないガンスを観ていると、妻の死を到底受け入れられない自分が居たんだろうね。でも、ラストには正面から妻と向き合う機会を得るわけで…そこでやっと彼は妻の死を受け入れられたのかもしれないなぁ。それを叶えてくれたのが事故で植物状態になっているミソ(チョン・ウヒ)で、彼女との出会いがガンスに明るい光をもたらすんですよね。

ちょっとファンタジー映画っぽいのを素直に受け入れられるのは、やっぱりキム・ナムギルとチョン・ウヒだからってところもあり…。今作のキム・ナムギルの無気力でくたびれた感じが堪らなく良かったんですよ!大袈裟じゃなく、控えめなああいう演技ができるのは素晴らしいなぁって本気で思いました。マジで最高値更新してきたんじゃないかな?あと、最上級に可愛かったチョン・ウヒちゃん。序盤のまだシリアスに突入する前の彼女めっちゃ可愛くて!初めてのお出かけとか女だけどキュンきたもんね。勿論シリアスに突入してからの後半も良かったんですよ。二人が会話をする病院の屋上の夕暮れ…あんな美しい景色を劇場で観れなかったことが悔やまれますね。

好きなシーンは酔っ払ったガンスが病室で意識のないミソに話しかけるシーンとか、ミソの手のひらの下に手のひらを重ねて桜の花びらを受け止めるシーンとか。挙げればキリがないほど素敵なシーンが沢山あるんですほんとに。そして流れる音楽が優しくて…でも物悲しくて…これサントラ欲しくなるくらい劇中の音楽が良かったですね。

ラストは賛否両論ありそうですけど、私はこれで良かったと思いました。ガンスの表情とミソの目から流れる涙を見ていたら、そう思わざるを得なかったですよね。

イ・ユンギ監督作品はほぼ全部観てますけど、これがいちばん取っ付きやすいんじゃないのかな。普段、韓国映画観ない人でも楽しめる作品だと思いますね。オススメ。
ゆみな

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