藻類デスモデスムス属

たまゆらのマリ子の藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

たまゆらのマリ子(2017年製作の映画)
3.5
こんなトイレがあったら嫌や。まるでヘモグロビン過多の消化器官の内壁みたいな色してた。日々が私達を消化しているのか、私達が日々を消化しているのかは依然不明やけれども。消化されへん蓄積が、「たまゆらのマリ子」、なんやろうなって。確かに彼女は、異物として浮き上がってゆらゆら、不気味な残骸と化してる。やのに血気盛んすぎんねん、発狂寸前の高血圧やで、血管破れんで。「消化されてたまるかあああ!!!」って声、聞こえてきそうやった。なんというか、逆にすごいねん。割とシリアスやのに、思わず笑ってまうくらい。動けへんよりええんちゃうかな、大切なんはヘモグロビンと心得たり。たくさん迷惑かけるけど、たった65分での、この「綺麗に水に流された」感。瀬川浩志監督の構成力の高さに、すっきり昇華させられたわ。トイレから出るようなつもりで、シアターを出る。