にゃんこむ

セザンヌと過ごした時間のにゃんこむのレビュー・感想・評価

セザンヌと過ごした時間(2016年製作の映画)
3.7
セザンヌとゾラ、そしてセザンヌの恋人のオルタンスの物語。
あまり盛り上がる場面が無く淡々とお話は進みますが、最後のシーンは衝撃を受けました。これが史実だとしたらあまりにも救いようのないお話ですね。

少年たちの微笑ましい友情物語から一転、小説家として成功したゾラを妬むセザンヌ。サロンに応募するも、思うように評価されず苛立ちが募るスザンヌ。横暴で女性関係にだらしないし傲慢なのに偏屈で自虐的なスザンヌ。
それでも筆を折らずに死ぬまで絵筆を持ち続けたというのですから、その執念は凄まじい。
スザンヌの鬱屈はどれもこれも、生前に評価されなかった弊害のように思えます。晩年〜死後評価されたセザンヌですが、こういう作品を見ていると、なぜ生きて元気なうちに評価してあげられなかったんだ……と、残念な気持ちになります。
にゃんこむ

にゃんこむ