miwan

ブリムストーンのmiwanのレビュー・感想・評価

ブリムストーン(2016年製作の映画)
4.5
2018年1本目の作品は、凄まじかった!

140分余りの長丁場は緊張感の連続で片時も目が離せなかった。(思わず目を背ける場面は何度かあったけれど、、)

4章構成のお話は「メメント」を思わせる如く過去へと遡っていく。
小さな村で年の離れた夫と二人の子どもと穏やかに暮らすリズ(ダコタ・ファニング)。ある日、一人の牧師(ガイ・ピアース)がこの村にやって来た事でリズの生活に不穏な空気が流れ始め、次第に壮絶な過去が明かされていく。

ダコタ・ファニングが素晴らしい!「アメリカン・バーニング」での怪演ですっかりファンになってしまったけれど、今回も期待を裏切らず、何とも言えない空気感を纏った圧倒的な存在感だ。

そして、ガイ・ピアース。怖すぎ。「シャイニング」のジャック・ニコルソンにも匹敵する程だけれども、彼のように狂気をあからさまにしない。むしろ、常に正気だ。かと言って、普通の人間に潜む二面性とも違う。もちろんホラーでもないし、サイコパスとも違う気がする。忠実の狂気、、と言えばいいのだろうか。

「時代と信仰」と言ってしまえば簡単だけど、その時代の社会の男性と女性、神の啓示に忠実な人生(「神の犬」だと言っていた、)がもたらした「出来事」なのかもしれない。
そして、その出来事はその時代だけの話ではなくて、現代でも世界のあちらこちらで起こっている事なのかもしれない。そして、様々な犠牲の上に、次の時代の者たちも闘いながら生きているのだ。


(負傷したならず者(?)サミュエルを演じたキット・ハリントンが素敵だった。早速チェック。)
miwan

miwan