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ブリムストーンのrollinのレビュー・感想・評価

ブリムストーン(2016年製作の映画)
5.0
The Great Silence!!

やべぇ!
タランティーノ版ジャンゴとヘイトフル・エイトの姉妹作と言っても過言ではない、コルブッチ監督作品へのリスペクトに溢れたホーベン系監督による傑作!そしてパク・チャヌクが西部劇を撮ったら多分こんな感じ。とにかく不埒で野蛮で大好物☆148分て!上映時間短すぎ!!

時系列を遡る4部構成のストーリーテリングも説明しすぎず節操があるし、質素な材料でここまでやれる土台としての脚本が強度抜群!
言葉という銃器を持たずに芯のある主人公を演じたダコタ・ファニングはすっかり大人やし、不死身の牧羊犬ことスカーフェイス牧師を演じたキ◯ガイ・ピアースも最高!あとは個人的にゲーム・オブ・スローンズ祭りをやってたもんで、ジョン・スノウ(リアルに天使の羽が生えてたのはウケる)はおろか紅い女まで出て来る事態に少し遅めのお年玉をもらった気分でがんす!

全体を通して印象に残る風の音は荒野で丸裸のような心許なさを助長してるし、罪悪感を意識させるのぞき視点も効果的。ソーセージチョークもヨーロッパならではの斬新な演出やし、怒りのデスロードを連想してしまう口枷もちょっと最高すぎてどうかしてる。

一番勉強になったのは娼婦たちの視点で描かれた西部劇という点で、風俗嬢たちの風俗事情(楽屋感)もよく作り込まれてるし、彼女たちにとって決斗が江戸に於ける火事みたいなお祭り騒ぎなところもリアリティがあって感心。銃口を向けられて興奮する倒錯野郎もめっちゃええし、便所で首吊られながら美少女にガン見されるという、Mっ子にとって至高の昇天シーンもたまらん。

そして第4章の長男のトランティにゃん、もしくはキンスキーなロコ・モーションスタイルとシチュエーションに至っては、こんなもん最高に決まっとるがな!
ウィンチェスターやレミントンもさることながら、豚を屠殺する銃の効率を優先させた無骨なデザインが印象的。

コルブッチ監督のソウルを継承しつつ、マグニフィセント・セブンと同じく現在世界を撃ち抜くダコタ・ファニングによる強烈なファニングショット!!(※実際はライフルです)そして彼女の大いなる沈黙に祝福を!
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