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ブリムストーンのmabのネタバレレビュー・内容・結末

ブリムストーン(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

凄く良かった…
地獄のような味わいだった(褒めてる)

もう観てる自分の持てる限りの語彙のすべてで100回罵り尽くしても足りないくらいの下衆の極みみたいな最悪の男がすごくチャーミングな瞳でかっこいい聖職者の見た目してるの最高に胸糞悪かった(褒めてる)

時系列ばらばらの章構成なんだけど、新しいチャプターが始まるたびに「え??」って印象から始まって「あ〜〜そういうことだったのか〜〜!!」で終わるのがとても心地よかった。

すごく人を選ぶ映画だと思うし、目を背けたくなるくらい不幸でえげつないシーンばかりが続くんだけど、波乱を生き抜いていく主人公の強さがすっと胸に染みる。
あんな終わり方なのになぜか後味がいいのは残ったものが愛だったからかなぁ。
いちいち不幸や悲しみに構ってられるかとばかりに生き抜いて行く主人公だけど、だからこそ不幸に心まで毒されることなく周囲の人々に愛を持ち続けていられたのかもしれないと思った。それが強さっていうものなのかもしれない。

あと子どもが酷い目に遭うのを見たくない人は絶対見ちゃいけない映画…改めて子どもは守られるべき存在なのだと思った。
性なり暴力なり「大人」が愉しめるものというものは子どもにとっての恐怖であって、その強要は邪悪以外の何者でもないよね…
お母さんなり娼館仲間なり、きちんと子どもを守ろうとしてくれる分別のある大人の存在にほっとした(当たり前なんだけど)…
でも同時に娼館で笑いながら煙草吸うようになった主人公の強さにもほっとした…本当にひとつひとつの出来事にいちいち立ち止まらない強さのおかげで観ていて陰鬱な気持ちになりすぎない…。

映画全体の素朴で落ちた質感もとても好みだった。
俳優さんも全員とても魅力的で、とにかく酷くて辛い話なんだけど個人的には文句の付け所がない傑作だった。

一個だけ文句があるとしたら牧師もっと惨たらしく死ね!!!!!!!!(笑)
mab

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