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ブリムストーンのYOKのレビュー・感想・評価

ブリムストーン(2016年製作の映画)
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神の名の元に、変態ガイ・ピアースが超人的ストーカー行為でダコタ・ファニングを追いつめる。

聖書になぞらえたかったのか、第1章 黙示録、第2章 出エジプト記(脱出)、第3章 創世記、第4章 報復: 審判、という4章構成になっている。
しかもこの4章、時系列がバラバラなので、各章始まってある程度進まないとどの年代記なのかすぐにはわからない。
これについては私は成功している感じた。
なぜあの時あのようなやりとりがあったのか、あのような反応をしたのか、あのような状態になっていたのか。
伏線を回収する、と言ったらやや強引だけど、2時間半の長丁場(しかもクッソ重い)を持たせるには良い手法のひとつかもしれない。

いかにも聖書が関係していそうな雰囲気ぷんぷんだが、そこまでガチガチに聖書に則っているわけではないので読んだことのない人でも大丈夫でしょう。

とにかく終始ダコタ・ファニングの人生がハードモードすぎて、目を背けたくなる場面もちらほら。
時代が時代だけに女性の地位も低く、こういった不当な扱いは本当にあったのだろう。
最初から最後まで不憫でかわいそうだし、変態サイコ野郎に「罰してやる」と理不尽に追われ続ける。しかも救われない。
彼女がここまで苛烈な人生を歩むことになった納得のいく説明は何もない。
理由があるとすれば、ただ不条理だからだ。
弩級の変態に目をつけられたから、という不条理な理由。
胸糞映画は好きだけど、ここまで長く胸糞が続き重苦しい映画はなかなかないと思う。

最近は何かと妹のエル・ファニングづいていた私だが、久しぶりにお姉ちゃんを見た気がした。
聾唖者の役なので台詞のなさと無表情さも相まって、何だかずっと不思議な空気を醸し出していた。
ダコタってなんか不思議な顔してるなーなどと思った。いい意味で。
それと、少女期を演じた女優の子はとてもかわいかったです。
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