TakashiM

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのTakashiMのレビュー・感想・評価

3.9
アメリカのコメディアンの実話、アマプラでのジャンルもコメディだったのに、、全然違った笑

厳格なパキスタン家庭のクメイルと、アメリカ人の可愛らしい女性エミリーの素敵な恋愛モノでした。

割とスタンダードなラブストーリーであるが、ところどころ挟み込んでくるクメイルの舞台がなんとも。。

アメリカのコメディアンのギャグって、どの層がウケてるんだろ。
時々ギャグを放つシーンがあるのだが、少しでも笑えたのは2回位。
感性の違いとは、かくも残酷だ。
日常でも空気を読まないギャグをカマして、場を凍りつかせるのはどうなのかと笑

ただ、そんなお寒いシーンが邪魔にならないほど、クメイルとエミリーの2人が素敵過ぎた。微笑ましい2人にキュンキュンしっぱなし。
中身空っぽな、意味のない会話のやりとりとかリアルすぎ。
脚本書きながら、2人は昔を思い出してたんだろうな。

からの、突然のビックシック。
変にドラマ的な悲嘆に暮れる演出が少なめで、割りと淡々としたシーンに抑えてるあたり、実話感があって良き。
静かなジンワリとした感動が味わえる。


本作では、異文化恋愛の難しさもテーマとなっているようだ。

アメリカにいるパキスタン人であることの、差別的な苦悩は大きい。
作中では、9.11の背景も見え隠れするから、なおさら。

また、パキスタン特有の結婚観についても、両親と激しくぶつかる。
人を好きになるのに文化や風習なんて関係なくて、それはもっと崇高なものなんだと主張するも、両親には受け入れてもらえず。

多分、どちらも正解なんだと思う。
こうなってしまったら、もう宗教的、思想的な違いのようなものだから、絶対にわかり合うことはないのだろう。


でも家族だから。
縁を切るとか、口で言ってもできるものじゃない。
親のことはずっと大事だし、子供のことは永遠に愛してる。

クメイルさん、演じてるのは本人だったのね。でも彼女は本人じゃないのな。
両親とは、その後どうなったんだろうなー
TakashiM

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