HAL

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのHALのレビュー・感想・評価

4.2
大好きな二人の、大好きな映画です。

ラブコメは映画館で見る必要性をあまり感じず、普段は劇場でみない種類の映画。でも、これだけは待てなかった…。

前半は、クメイルのユーモア炸裂。とても日本の感覚からズレた笑いが多めなので、ジョークのツボがわからないと、ちょっと長く感じてしまうかも。後半は泣くわ爆笑するわの、情緒がおかしくなってエンドロールで泣き続け、劇場を出るまでに涙が乾かないという。困る。

ユーモア溢れる軽いタッチの恋愛モノながら、文化の違い、家族、難病、人種・宗教問題に触れていて、日常に近いところで起きる困難を描いていた。ISISの野次のシーン、こんなことを言われるのかと、胸が締め付けられる。

ドラマSilicon Valleyの出演以来、トークショーゲストとして見かけるようになったクメイル・ナンジアニに、すっかりハマっている。エミリーともたまに一緒に出ていて、本当に素敵な夫婦。クメイルはゲストでも、ホストのような落着きと聡明さで、トークのキレが素晴らしく、いつかアメリカ初のパキスタン系として、自分のトーク番組を持つのではなかろうかと期待している。とにかく笑わせてくれる人。かつて面白くないスタンドアップをしていたとは思えない、今やアメリカトップクラスのコメディアンとなった。

ご両親の9.11のシーンも実際の話ではなく(泣くほど笑ったけど)、エミリーが倒れる前の二人の真剣度も脚色しているようだけど、かなりの部分、事実に基づいて作っている。
インタビューではそれら全部さらけ出してるので、さらに好感が持ててしまう。

エミリー(本物の方)が、「私は最初の結婚で、自分の弱さをさらけだせなかった。相手が逃げると思って。クメイルは私が病気になっても逃げ出さなかったし、私は弱くてもいいんだと思えた」と語ってたのが印象的。

二人はこの物語の三ヶ月後に結婚している。インタビューで語る結婚に至るまでや、結婚式の話も面白かったので、映像化してほしいなぁ…。
HAL

HAL