Yu

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのYuのレビュー・感想・評価

3.9


今作は、ビッグシックというタイトル通り、大きな病気がテーマ。
さすがアカデミー賞脚本賞にノミネートされてるだけあって、とてもうまく大病というものを扱っている。

エミリーを襲った難病は、恐らく病名は違うだろうが、
クロエが熱演した「彼女が目覚めるその日まで」や土屋太鳳の「8年越しの花嫁」を想起させる、“自分自身を攻撃する”ウイルスが原因だそう。

一方、厳格なイスラム教の良家で育ったクメイルは、弁護士となることを期待され、
同じパキスタン人と見合い結婚するしきたりを担わされている。
つまり彼もまた、
”自分の身の上からの攻撃”に病んでいるのだ。

この2人の病はお互いの両親を巻き込み、文字通り大きな問題となっていく。
ただ、人種差別も絡んだ宗教や文化の違いをそんな重々しくなくユーモアたっぷりに描いてるのがとても微笑ましい。

強敵ばかりで受賞は難しいだろうが夫婦2人で成し遂げた脚本賞ノミネート。
それは、障壁を乗り越え、夢と希望を持ち続けた2人の絆に相応しい、素晴らしい輝きを放っている。
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