こうん

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのこうんのレビュー・感想・評価

4.2
パキスタン人男性と白人アメリカ人女性のカップルの紆余曲折を描いたコメディかと思っていたけど、開巻1分でアパトー一派の映画であることを知って、いい意味で身構えてみることができたので、めちゃ楽しかったです。
とはいえ僕はネイティブイングリッシュスピーカーじゃないし米国にも住んでいないので、この(たぶん絶妙なツボを押さえまくっている)コメディを十全に理解しきっているとは思えないけど、だからといってそれがマイナス評価になるわけがないし、僕なりにめちゃ楽しかったですよ。

異文化コメディかと思っていたんだけど、どちらかというと、独自の文化慣習アイデンティティをもつボンクラ青年が、愛する人とその病に出くわすことによって、それをブレイクスルーして成長するという物語ニュアンスが強かったように思います。
思いますし、そこがめちゃハマった。

観ていて「(500)日のサマー」や「GO」を思い出したりもしていました。
恋人にフラれることで人生を見つめなおしたり、恋人を得ることで自らのアイデンティティと戦う話、という意味で通底するテーマがあると思います。

ま、パキスタン人が主人公のコメディという新味があったし、しかしその彼がゾンビ映画好きなボンクラ、という設定に親近感を感じていたりしました。
2回目のデートでゾンビ映画を見せていたけど、僕も奥さんとの2回目のデートで「怒りのデス・ロード」を選択したし(その後もう一回観にいって「勘弁して」と言われた)、「クメイル、お前は俺か!」という感じでテンション上がっておりました。

久しぶりにゾーイ・カザン観たけど、かわいいなぁ~。
あと、ゾーイ・カザンの両親のキャラクターが抜群に良かったし、クメイルの兄貴の絶妙な堅さとボンクラ感がたまらなかったです。
滑り込みで映画館で観られてよかったです。
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