emily

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのemilyのレビュー・感想・評価

4.2

パキスタン人で家族でシカゴで暮らすお笑い芸人のクメイルはアメリカ人の大学院生エミリーと付き合っていたが、文化の違いで喧嘩になって疎遠になってたところ、突然のエミリーの昏睡状態。エミリーの両親と初めは衝突したがたちまち仲良しになっていく。そして自分に大切なものは何か気がついていく。

前半の人間描写と、エミリーの親と打ち解けていく様が非常に軽いタッチで描かれてるいるが、絶妙なバランスでまったく暗い空気にさせず、三人の絡みが見事に感動と笑いを生む。後半は病気の現実を受け入れながら、文化、親、そして自分の夢と向き合うクメイル。

人は大切なものを失いそうになって、その大きさに気がつくことが多いが、彼の場合はなんとか間に合ったバージョン。しかしそれはエミリーのことだけではない。彼女の決断には確実に深い愛があり、家族以上に大切なものはないことを改めて考えさせられる。

軽いタッチで描かれてるからこそその一言が響くし、人間関係がよくみえてくる。大きな意味で愛がテーマで成長物語でもある。結局愛は人を強くし、前向きにさせるのだ。それは決して恋人だけではない。家族だって同じである。ゆるりと描かれてるからこそ、幸せな気分にさせてくれなが、自然と背中を押される。
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