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ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのqudanのレビュー・感想・評価

4.5
風習に反対するのは、たとえ正論でも非常にデリケートなんだけど、上手く笑いに包むことでシリアスになりすぎず、本意を上手く伝えることができる。

全編ユーモアを交えて進行していて、所々、スベっていたり、ブラックだったりと同じユーモアでも色々と場の空気を変え、テンポを変えている。

特に、主人公とヒロインの両親の距離が近づくライブシーンは良かった。
共通の敵を用意して、両親の意外な一面を引き出している。
あそこで一気に見え方が変わるんだよなー。

そして、終盤にヒロインが主人公に対して「全然おもしろくない」と伝えるのも上手い。主人公を遠ざける態度かつ、作品自体を否定するようなメタ発言で、意味のある重たい発言。
これがまた物語の転換に効果的になっていた。

物語全体の進行としてはベタなんだけど、細部の描写など脚本が上手くて、キャラクターも良い。
そして、主人公の両親やお見合い相手の女性に対しても、ギミックとしてだけでなく、生きた人格として描いているのも配慮が行き届いていて良い。
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