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わたしたちの家のnagashingのレビュー・感想・評価

わたしたちの家(2017年製作の映画)
3.5
異なる世界を並走するふたつの物語の連動を描いた作品こそ珍しいものではないが、編集という映画の文法的な詐術を逆手にとって、存在と不在、連結と断絶の二重性を表現する手ぎわはあざやかだった。鏡の反射を採用した構図の妙や、ローポジからぬるぬる動くカメラの気持ちよさ、リヴェット(とりわけ『彼女たちの舞台』)との表面的な類似点の多さなどにもニヤリ。セリの衣装が匿名性を強調するトラディショナルなセーターなのに対して、さなの持ちものにあるのはA.P.C。現実感のあるタグの生々しさにドキっとする。
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