おたしん

シドニー・ホールの失踪のおたしんのネタバレレビュー・内容・結末

シドニー・ホールの失踪(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

時系列は3つに分かれていてわりと多めに行ったり来たりするものの混乱せずに見進められました。
1つひとつの時代にシドニーホールの人生を大きく左右する出来事があって面白かった。

輝いて見える学校のスターには壮絶な家庭環境があった。
箱の中身があの結末を迎えなければ彼の人生は変わっていたかもしれない。
羨ましがられる家庭にも闇があったりするのに表に出てこないものだよね。

ブレットには劣悪な環境がって話も分かるけどシドニーもまた同じような問題があったのでは?と思う。
障害を持つ父親がとは言うけど母親の方も限度を超えた行動をする。
どちらが障害者だろうかと考えるような。
父親がシドニーを送り出すときの掌が寂し過ぎて心が痛かった。

才能はあるのに若くして重いものを背負って生きていたシドニー。
熱烈なファンが自分の作品のように自殺をすることで賞を逃すのはどんな気持ちか。
ビショップの息子などその作品のおかげで生きているファンもいるというのにそれを知る機会はほとんどなかったのか。

それもあってメロディだけが生き甲斐なんじゃないかって存在だった。
初々しすぎる2人に恥ずかしさすら感じたけど最高だったね。
そこで壁となるシドニーを自分の金としか思っていないマネージャーの娘はヒステリックかってほどのキャラクターに感じて、
どの登場人物も面白かった。

あのエレベーターのせいでシドニーホールの人生は崩壊する。
放浪する気持ちは分からなくもない。
友人のことを一生後悔しているところでさらにそれを超えてくる惨劇。
相棒の犬の名前を呼んだときには涙が出ました。
彼が持ち続けた思い出のモノもまた彼の心情を見せているように感じた。

鑑賞中に小説を読んでいるようだなと感じることがあったけど、
これはやっぱり小説なのではないか。
シドニーが人生で記したことの全てが気になる。
全てをビショップに託し彼によって執筆された自伝というか小説が本作だったんだと思いました。

『ウォールフラワー』のときから期間空いてローガンラーマン成長してる!
めちゃくちゃいい演技してたと思った。
そして金髪ロングが風でふわふわしてるエルファニングの美しさが人間を超えたレベルで見惚れます。
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