マオ

勝手にふるえてろのマオのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.5
原作のファンで、とっっても楽しみにしていた作品!一足早く見れて、監督の想いも聞けて、幸せいっぱい感無量、、!

「この映画はいろんな人の戦いを褒め称えられるような、忘れられない想いや、忘れられない人がいるような方のお葬式場になるような映画かな。って思っています。なので何か忘れられないものを抱えている人、今日この場で葬っていただければと思います。」
先日の舞台挨拶で松岡茉優ちゃんが言っていたコメントが、この作品を見事に表していて、これ以上語る必要なし。けどこの作品を見た後、感情が大爆発してしまって、どうしてもだらだら書かずにはいらない。。

理想の中で生き続ける憧れのだいすきな脳内彼氏 イチと、自分のことを好いてくれるちょいウザ現実彼氏、二。ちょっと痛い女の理想と現実のリアルなラブストーリー。

あ〜、どうっしても主人公のヨシカに共感できて苦しい。ああいうヨシカ的な部分って絶対みんな心の底にあって、この作品を通して「わたしがヨシカだ」って気付かされるはず。
共感できる女性はたくさんいると思うけど、こういう複雑でだけどすごく単純なめんどくさい女心知りたい男性にもおすすめ。
なんだよ女ってめんどくせえってなるはず。そうだよ女ってめんどくせえんだ、って言いたい。
あの頃のわたしを思い出して、胸がぐあああってなった。原作同様終わった後、心の中で思いっきり叫んだ。

ヨシカにとってはイチが全てで、イチがいてくれたらもう他の人間なんか興味すらわからないくらいどうでもよくって、いつもあの頃のイチを頭に召喚して、あの頃の幸せに浸る。
そんなヨシカがめちゃくちゃ痛いし狂気じみてるんだけどいつまでも理想がチラついてしまってそれを捨てられない気持ちが痛いほどわかる、、。わかりすぎて痛い。

どんなにどんなに想っていても、微塵も通じ合えないイチとは裏腹に、まるで空気のようだったヨシカを見つけて想いを寄せてくれヨシカのことを知ろうとしてくれる二。
「億単位の金動かしててさ〜」「昨日3時間しか寝てね〜」とか女性が嫌うであろう典型的な男性のタイプでウザったくて、理想のイチとは掛け離れている二が疎ましくて邪魔でしょうがなくて、だけどどこかで初めて「江藤ヨシカ」に気づいてくれたことが嬉しくて。
二と付き合ったら幸せになれる… なんてわかってるけど、やっぱりイチが好き〜!って脳内暴走するヨシカに共感の嵐。

他人に話しかけたり踏み込む勇気なんかないのに、自分の壁だけは分厚くて、自分を守るのに必死で、基本妄想の世界にいるけど心の中は口悪い毒舌なヨシカに、松岡茉優ちゃんがぴっったりすぎて!間違いなくこの作品は彼女の代表作でしかないと思う!松岡茉優だからできた作品。

原作のまんまだけど、さらにもっと細かく各キャラクターが描かれていて、とっても満足な実写化だった。キャスティングぴったりだ、、、。
監督が仰っていたけど、二を演じた渡辺さんは実際も二に似ているらしく、ああもううざったい!って追い払いたくなるのに、いないといないでさみしくてストーリーが進むに連れなんかもうどんどん愛おしくてたまらない、、
この作品もキャラクターたちも、みんな愛おしい。

ずっと思い続けている想い出にさよならを。
勝手にふるえてろ。
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