Beausum

勝手にふるえてろのBeausumのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.3
面白い。これは面白いぞ。苦しくて、笑えて、幸せで、もがいているかんじ、まさに人生でした。邦画の中でもかなり好き。かも。

最初の10分は、ヨシカの一人語りに面食らうほどちょっと苦手かなこれは・・・と思っていたのだけど、いつの間にか忘れていました。むしろ中盤にはヨシカをとても愛おしくおもっていました。

まずヨシカのリアクションが最高。本音をポロポロこぼすかんじ、すごいツボですごい好き。
脇を固めるキャストたちも皆んな良い塩梅で面白い。片桐はいりさんの死なないで!連呼シーンめちゃ良い。癒し要素。

と、思えば胸に刺さるところもしっかり用意している今作。おうち着いて1人の空間になった瞬間、涙が押し寄せてしまうかんじ、5億パーセント共感しました。経験、あります。恋愛ではなく家族のことだけどね。
そしてひとりミュージカルのシーンは、格別良かった。あまりにストレートで瞳が熱くなる。松岡茉優さん凄い。好きな女優さんに仲間入りです。

そして二の存在。絶っ妙。どこを切り取っても二の言動全てが鬱陶しくて煩わしい。気持ち悪さとウザさの分量が大変素晴らしいです。
無理やりラインを聞くもチキン具合が見え隠れして目見れないところとか、リップクリームを塗るタイミングとか。スーーーパーーリアル。実際、私自身に同じことされたらどこまでヨシカと同じ行動だろうか?考えるのもおもしろいね(答えは出さない)

ただエレベーターまでついてきたあのシーンはアウトでした。
ヨシカは無表情で“さようなら”と一言吐き捨てただけだけど、私は心の中で中指を立てながら冷たく一瞥したいね。

でも最後の最後、俺はかなりちゃんと好き、結局俺は好きだよ!みたいに言うところはよかったです。それが本当のところよね、愛してるとは言えないまでも、今の自分の気持ちをしっかり相手に伝えている。正直がいちばん。

イチとの会話シーン全てが幻みたいに夢心地なかんじが良かったなあ。名前ね、本当に傷ついたんだろうね、ヨシカ。でもさ、そんなに落ち込まないでいいよ。深く気にしなくたってよいのよ。イチにもう一度連絡取ればええのよ。貴重すぎる共通の趣味があるなんて離れちゃいけません。離しちゃいけませんよ。
という気持ちなので、ラストは納得していません。ヨシカが幸せになるならよいのだけどね。

いろいろ言いましたが、まだまだ言いたい気もしますが、演出もキャストも素晴らしく見事です。
作品を存分に楽しんだ。お腹いっぱい大満足!
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