Riisa

勝手にふるえてろのRiisaのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
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思わず引き笑いをしてしまうほど笑いがこぼれた。でもその対象はきっと、あなたで、わたしで、世の中の人なのだと思う。それぞれの一生懸命さが、赤の他人からしてみれば滑稽に映り、普通の感覚を持つ多数の人と、少数派の変人に別けられる。
イチが絶滅危惧種に詳しかったと分かった時、私の目にはヨシカが、タテとヨコの糸で織られた世界を織り成す一本の糸になったように見えた。
その理由はたぶんこれだ。真っ向からヨシカを見ていた私は、ヨシカが違う世界の人だと感じていたイチが私と同じ側だと思っていたのに、唐突にヨシカ側にひょいと飛んで移ったから。もの凄い驚きと共に分かった、それぞれの価値観なんてそんなものなのだ。
けれど、その瞬間がイチも「変人」に部類された瞬間だとしても、ヨシカが「普通人」に部類された瞬間だとしても、それを知らない人にとってはどっちでも良いことだ。
私たちが一生懸命になって他人から見たらどんな滑稽なことをしていても世間はそれを知らない。
だからこの映画はきっと私たちにこう言うんだろうな
勝手にふるえてろ!

すごく生きるのが楽になった気がする。
Riisa

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