視野見を極めろ。
「イチ」に10年級の片思いの相手を脳内に召喚しながら過ごす恋愛ド素人のヨシカ。
ある日同期の「ニ」からの突然の告白を受ける。脳内片思いとリアルな恋愛に揺れる彼女の生活を描く。
怪奇すぎる傑作。中だるみはあるけれど締まるところは締まってる。こんなに愛らしい無駄な要素で溢れた作品久しぶりでした。
口数少ない「イチ」の一言は逐一刺さる。「二」も変なフレーズ多いけれど大事なことはきっちり言葉にしてくれる。「感情を殺すわ」なんて言わせたい。笑
唯一といえる女友達のマウンティングっぷりもリアル。いるコノ手の人。
あまり綺麗な日本語は並ばないけれど言葉の持つ表現力の幅を楽しめる一作。
語りたがりのデキスギにフレディ。釣のおじさんに編み物おばちゃん、駅員にコンビニ店員と脇役も濃い。あ、オカリナ。全員純粋にウザめです。
感情がジェットコースター並みに上がり下がるのですが勢いだけではない。おもしろかった。思いのほか年齢層が幅広く（むしろ高かった）のはその点が良いのかも。
目を合せるのは避けつつ感性の惹かれない人には心を開かない。そんな彼女に共感するたびに「一般」のレールから足を踏み外している自分に痛感するのでした。
