映画の味方あっつマン

勝手にふるえてろの映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.8
OLのヨシカは同期の「ニ」からの突然の告白に「人生で初めて告られた!」とテンションがあがるが、「ニ」との関係にいまいち乗り切れず、中学時代の同級生「イチ」への思いも引きずり続けていた。一方的な脳内の片思いとリアルな恋愛の同時進行に、ヨシカは「私には彼氏が2人いる」と彼女なりに頭を悩ませていた——。

綿矢りさの小説は「夢を与える」までしか読んでおらず、本作は未読だった。

綿矢りさは、「蹴りたい背中」の頃から、まだ名前のないようなニッチな感情を表現するのが上手だったと思う。映画「勝手にふるえてろ」でも、そこに着目していたが、期待より少し薄かった(小説なら感情の部分がより深く表現されてるかもしれない)。

20代も後半になるのにピュアな人は、厄介だと思う。ピュアであることは素晴らしいことだけど、少しくらい現実を知っていてもらいたいところだ。

本作のヨシカは、妄想の中で生きていて、現実に疎い。妄想の中でイキイキと振舞っていて、現実でビクビク震えてる。実際にいたら間違いなく厄介なヨシカだが、松岡茉優が演じると魅力的に見えるから、さすがだ。