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勝手にふるえてろのRYのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.2
虚無って実は、最初からそこにあるのかもしれない。それに気がついたとき、ふいに虚無感が訪れて自分って孤独なんだと知る。
会話のほとんどが本当は独り言なのだと突きつけられた瞬間に、何をたよりに人と一緒に過ごしていたのか分からなくなる感覚。
追い風のように吹いていた幸福感が何事もなかったかのように素通りして消えていく感覚。
演出にも劇中歌にもゆさぶられる。

人間の作り込みが異様で絶望的なほどに現実的。拗らせと片付けてしまうにはもったいない、丁寧な描かれ方だった。
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