テレザ

勝手にふるえてろのテレザのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.9
綿矢りさ原作である。「蹴りたい背中」や、記憶に新しい「夢を与える」「私をくいとめて」など、綿矢りさは等身大の天才だ。主人公の思考や行動が、自然とそのまま自分と重なる。何かイラっとくればすぐに「ファ〜ック!」だし、彼女が絶滅した古代生物に異様な関心を抱いて夜明けまでwikiを見ているのと同じように私も消滅した国家を探している。妄想の中では自分の話をわかってくれそうな人間に対して饒舌に自分の考えを声高に言い聞かせたりして。
自分が大好きでプライドが高いから、目の前の現実にコミットできなくなってるタイプ。他人と違うことで自尊心を保つためのポーズをとるという意味では、いわゆる女子としての王道(理想的な恋愛、結婚etc)を歩んでいない女は全員が共感できるだろうもちろん私もその一部だ。
主人公はアンモナイトしかり、中学の頃の同級生の男しかり、過去に思いを馳せる。過去は自分を裏切らないから最強にロマンチックだ。過去への狂信的なまで没入。過去という神。勝手な妄想で脚色された、自分好みの。
それでも現実とぶつかってしまうことで自分の妄想が砕け散ってしまうこともある。そんなときはコンビニで適当にワンカップ酒を買ってそれを飲みながら悲しい歌を歌ったり泣いたりして、でも現実を生きるからこそ感情が動いていることに気付かされて、傷つくことが人生、痛みのない人生なんて無い、むしろ痛みのない人生なんて無味乾燥でつまらないじゃないかと、結局、そうやって人間は成長していくわけですよ。
それにしてもかわいいなー松岡茉優。びっくりするほど主人公にハマってた。