とうがらし

勝手にふるえてろのとうがらしのネタバレレビュー・内容・結末

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

唐突なミュージカルでネタばらしをするシーンは苦笑してしまった。
これまでさまざまな映画がいろんな手法で苦労しながら描いてきた内面表現を、この作品はあざ笑っているかのよう。

「まどまどろっこしいなぁ、内面は全部セリフで言っちゃえばいいじゃん。
 誰に向かって言うかって?
 妄想でいいっしょ。
 脳内彼氏、脳内隣人、脳内知人。
 そんなのずるいって?
 可愛いは正義。
 主人公が可愛ければ、みんな許してくれるよ。」と。

それでも内面が良く表現されていると思うのであれば、それは原作の功績。
小説は、独白が許される媒体。
それを安易にモノローグで処理する欠陥的な映画脚本があるが、この作品はそれ以上に悪手。
要するに、夢落ち構造。
なんと、身も蓋もない作品を作ってしまったんだろう。
脚本はひどいが、松岡茉優さんの演技は100点満点なので+1.0。
松岡茉優さんの演技力がなければ、あわや駄作になるところだった。

もし、これを観て、主人公に感情移入する人がいたら要注意。
相手が内面をこれほど表出しないと分からない。
相手の心中を察することができない。
それを、10年間も気づかずに生きてきた恐ろしい女性の話だから。
こういう人は自分だけが不幸だ、被害者だと勝手に思い込んでしまう傾向にある。
一歩間違えれば、重大な事件を引き起こしかねない犯罪者予備群。
二のセリフ「脳みそが悪魔的」
まさにこれ。
キングオブコメディやジョーカーの主人公と同じ。
一つ違うのは、二の存在。
彼が、彼女を犯罪の道へと走らせない最後の防波堤となる。