ナオヤ

勝手にふるえてろのナオヤのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.6

鼓舞する言葉🎬

ストーリーは実らない恋愛に対しての怒りが込められているように感じました。今作は街にいる様々な人々を映すことでヨシカの孤独を描き出しています。印象的だったのがイチに自尊心を傷つけられ、ヨシカと街の人々との本当の関係性が明らかになるシーンです。ここではミュージカル演出で、ヨシカ自身による独白が始まりました。ヨシカの心の叫びなので、もちろん彼女の歌声は誰にも届いていませんが、誰からも見向きされないため、彼女の独りぼっちさがより強烈に響くものとなっていました。テーマは"自分のことを見てくれている誰か"です。思いを抱き続けていたイチに自分の名前すら覚えてもらえてなかったことにショックを受けるヨシカは、イチとの関係のように街の人たちとも何の関わりも築けていないことを再認識し、自分は透明で誰にも見えていない存在なのだと卑下します。しかし、そんなヨシカのことを見ていてくれたのが二でした。二がヨシカに想いを抱くきっかけとなった赤い付箋。彼がヨシカに思い出の品としてプレゼントした付箋は、初めは二の気持ちが一方的にのっただけの安くて痛々しいアイテムでしたが、孤独に打ちひしがれるヨシカにとっては誰にも見えていないと思っていた自分を二が見つけてくれた最良のアイテムとなりました。雨の降る夜、ヨシカと二は互いの思いをぶつけあい、気持ちを確かめ合います。赤い付箋に水が染み入るようにヨシカと二の思いが同化し、二人の新しい人生が始まりました。