みきてぃ

メゾン・ド・ヒミコのみきてぃのレビュー・感想・評価

メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)
3.7
2018年 74本目

良くも悪くも、「10年以上前の映画」だった。
LGBTとの接し方、障害者と同じような
その扱われ方、周りの人たちの心境の変化。
本当に、”ひと昔”を感じさせられたけど
日本人の根底にある排他的で頑固な部分が
描き出されているような気もした。

前半は全体的に結構わざとらしさを
感じてしまったけど、後半にいくまでに
各々の幸せの中にある寂しさを
えぐり取っていくような描き方に
悲しくなって、でも最後には笑顔になれた。
犬童一心さんの作品はジョゼといい
こんな描き方が核なのかな、と感じた。

なによりもオダギリジョーの美しさが
犯罪級。気怠げで、でも自分自身のことは
しっかり認めているような人なのかと
思いきや、彼なりにもがこうとしている
ことが分かる場面でこちらも傷ついたし
“諦め”が見え隠れする背中があまりにも
切なすぎた。「欲望がほしい」という
台詞がずっと頭から離れない。

鑑賞中ずっと「彼らが本気で編むときは、」
が頭に浮かんでいたけど、それと一緒に
再発見されてほしい映画だと思った。