ベトナム戦争の実態を記録した機密文書"ペンタゴンペーパーズ"を巡る、スピルバーグ監督の実録社会派ドラマ。
ベトナム戦争への反戦気運が高まる、1971年ニクソン政権下のアメリカ。ワシントン・ポストの女性社長と編集主幹が、機密文書の公表に奔走する。
"The press was to serve the governed, not the governors."
実録ドラマらしいとても真面目な作品。ちょっと綺麗にまとまりすぎていて、"お勉強映画"という印象は受けたかな。
報道の自由を懸けた新聞社による政府との歴史的な戦いと、男性社会に立ち向かう女性の社会的な戦いが並行して描かれる。メリル・ストリープ扮する女性社長がドアを開くと、画面いっぱいに男たちが映り込む、圧迫感のある画がとても印象的だった。
"真実"の流れを追う流麗なカメラワーク。機密文書の受け渡し、新聞の製作過程、売店への卸まで。それにしても、新聞配達が雑すぎる。
大女優メリル・ストリープ。一見頼りなさそうな新聞社の女性社長を繊細に演じていた。お飾り的な社長が、会社の命運を決める重大な決断を迫られ、顔つきや佇まいが変わっていく様子が面白い。
トム・ハンクスの絵に描いたような腕組みドヤ顔は笑った。
"If we live in a world where the government could tell us what we can and cannot print, then the Washington Post as we know it has already ceased to exist."
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