Akiramovie

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のAkiramovieのレビュー・感想・評価

4.1
ベトナム戦争と『ペンタゴン・ペーパー』の存在を発端に、
主人公"キャサリン・グラハム"の 一族が築いた ニューヨーク地方紙 ポストの社主であることや 夫の死 株式上場の事情により 話の焦点が だんだん分かってくる。

政府からの圧力に対して、
法的執行に対する自らの保身や株主・社員へのリスクを気にする経営陣、ワシントン・ポスト編集主幹"ベン・ブラッドリー"のジャーナリストとしての欲でなく、
民主主義・報道の自由だけでなく、
"アメリカ人の母"としての良識が 社主として "掲載"の決断を下した過程が丁寧に描かれている。

主人公が間を通る裁判所前で待ち受ける女性達の表情で、判決の持つ意味が表現される。

極秘表示とページを 切り取った書類のコピーが 何故バラバラに?  
パズルの 繋ぎ合せ の苦労が 娘のレモネードの売上げで表現のが効いてる。

個人的に、一番の驚きは 隠蔽したとはいえ、現状の情勢を"客観的に分析した報告書"にしているアメリカの統治者の 歴史観。
なので、歴史を語る草稿は、新聞のジャーナリズム でなく 政府機関による報告書(ペンタゴン・ペーパー)だもの。

ジャーナリズムは どうも 信用ならない私には ある意味納得!

エンドクレジットの 脚本家・映画監督の"ノーラ・エフロン"に捧げる は、ニューヨーク・ポスト記者だったこと や
ウオーターゲート事件の記者 カール・バーンスタイン が配偶者だった時期(1976-1980) と関係するのだろうか?

NHK BSP 2022/6/8
Akiramovie

Akiramovie