みおこし

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のみおこしのレビュー・感想・評価

3.5
素敵な機会をいただき、試写会に行ってきました!スピルバーグ監督、満を持しての新作、本年度オスカーでも受賞の期待がかかる一本。

1971年、ワシントン。ベトナム戦争の戦況や勝算を分析した国防省の最高機密文書、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」をニューヨーク・タイムズが一大スクープとして取り上げる。対するワシントン・ポスト紙の発行者キャサリンと編集長ブラッドリーは、記事の差し止めを図る政府と戦うため、タイムズと時に争い、時に結託しながら報道の自由を求めて葛藤する。

まさにアメリカらしい骨太な社会派ドラマ。1970年代は、本作で描かれているようなベトナム戦争の真相が明らかになり、さらには政府の闇の部分が露呈したウォーターゲート事件に至るまで、ジャーナリズムの力が強く感じられた時代ですが、本作は現代のアメリカ社会に対しても警鐘を鳴らしているような印象がありました。
長い月日を経るうちに、権力が強大になりすぎて当初の目的を逸脱してしまう...という例は歴史的にも数多くあるケースですが、失われた「報道の自由」を求めて奔走するキャサリンやブラッドリーの姿はまさにジャーナリストの鑑。また、当時は男性が優位な社会。それでもなお臆さずに決断をしたキャサリンに、現代の女性も勇気付けられること間違いありません。
私たちが普段目にしている新聞やニュースなどの報道の裏側には、真実を求めて葛藤する人々の苦労があることを実感させられる作品でした。マスコミ志望の就活生が本作を観たら、きっと燃えてしまいそう!(笑)

オスカーに21回目のノミネートとなったキャサリン役のメリル・ストリープは、いつもの見るからに強い女性の役というよりは、ペンタゴン・ペーパーズの一連の出来事を通じて、より強くなっていく女性を今回は演じていて、等身大な印象。トム・ハンクス演じるブラッドリーはじめ、キャサリンを支える周りの人たちも愛に溢れた人ばかりで、共通の信念があればライバルであっても結託できるんだなと感動...!社を超えた連携プレーに鳥肌が立ちました。
紆余曲折を経て、あの歴史的出来事へと繋がるエンディングもとにかく圧巻。観終わった後「素晴らしい映画を観たなぁ...!」と胸がいっぱいになって、しばらく席を立てませんでした。

まさに「強いアメリカ」を感じる映画。どんな時代であっても、真実を求めて戦う先に光があるんだなと勇気づけられること間違いなしの心揺さぶられる傑作です!
余談ですが、それにしてももっとこういう作品を観るときの肥やしにもなるから、アメリカの政治や社会問題について勉強しなければと痛感しました...!