ikumura

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のikumuraのレビュー・感想・評価

3.5
スピルバーグ監督がメリル・ストリープとトム・ハンクスを主演に迎えて撮った、ハラハラドキドキの社会派映画。面白くないわけない!実際、面白かった。

日本でも名物記者と政治家の馴れ合いとかが問題になったりするけど、当時のアメリカのメディア上層部がああいう風に政治エリートと繋がってたのか〜、というのも驚き。そこから生じる葛藤を乗り越え、アメリカ市民のために、政府と戦ってでも報じるべきことは報じる、という決意の末にローカルなワシントンポストからナショナルな「ザ・ポスト」になる、というストーリー(あと、株式公開の話と同時進行なのよね)は、分かりやすいけど最後まで飽きさせない。

ちょっと引っかかるのは、(そこが売りでもあるし、アカデミー会員にも受けそうだけど)トランプ政権を意識して、真っ当なメッセージがかなり党派性を帯びてしまっていることかな。プロジェクトの始動はずっと前だろうからスノーデン事件とかを踏まえて、オバマ政権にも批判のメッセージを送ろうとしたのかな、と思ったら、トランプ当選で急遽動き出したものらしい。もちろんベトナム戦争を始めたのは民主党政権だし、マクナマラはじめ民主党政治家も槍玉に上がってるのだけど、いつのまにかニクソンがいかに悪いやつかという話になっていたような・・・。ニクソンとトランプがオーバーラップするように作られてるのは明らか。

まあ以上の引っ掛かりを除けば、素晴らしい、一見の価値ある映画だと思います!
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