misty

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のmistyのレビュー・感想・評価

4.0
NYタイムズに最高機密文書をすっぱ抜かれたワシントンポストがこっちも文書の追加掲載に踏み切るかというぎりぎりの選択を迫られるメリルストリープの芝居から一瞬でも目を離せない。夫に先立たれて事実上の経営者になったけど自信がなくていつも及び腰、そんな彼女でも英断は下せるのだ。

予告編で、メリルストリープの役、バリキャリを地で行くようなインテリ社主さんなのかなと思ってたら全然そんなことはなくて、株式公開にしても経営判断にしてもいつも役員の意見に素直に従う。なぜなんだ…と思ってたけど、夫に先立たれて40も過ぎていきなり経営に携わることになってしまって、そりゃ何もわからないし、怖いし、自信もないだらう。なのに新聞社の従業員の未来も社そのものの未来のことも考えなくちゃならない、どんなに恐ろしく孤独な日々だっただろう。だけどその中でもベンという友人がいて、互いに尊敬し合いながら報道の真の意義を考えて行動していくさまはもう、アツいの一言。

女性は男性より劣るもの、夫が死んだから実質継いでるだけと思われてる人たちに囲まれて自尊心なんて保てるはずない。それでも「やりましょう」と返事ができた瞬間のあのカメラワークもメリルストリープの表情も、素晴らしかったよね。ほんとすばらしいの一言に尽きた。

しかし音楽がわりとジャンジャン鳴るし、ジョン・ウィリアムスの自己主張強い。これはいいとか悪いとかはそんなに思わないですが、良くも悪くもスピルバーグ映画だなという気がしました。でも何も知らない人向けにも丁寧に作ってくれるその姿勢、さすが場数が違うよスピルバーグ!ありがとう!

そして輪転機の動きのときめき、印刷のときめき、かっこいい!文章のブロックを当てはめていくの、すてき!だった…
レモネードでうまいこと儲けるムスメもいい働きをしていた。
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