うごぉぉ！めちゃくちゃ面白かった！！
なんでこんな史実の難しい話を娯楽作に仕上げられるのか！
史実を描き、実在の人物の情熱や功労を描きながらヘビーな題材であるのに単純に「映画としてめちゃくちゃ面白い娯楽作」であるということが本当に凄い！
この事件を良く分からない人が見てもドラマそのものには全く支障のないようわかりやすく作られているし、興味惹かれたならばどうぞ、と掘り下げるのは各々に任せ、この事件がどういうことで、この事実にどんな価値があり、どんな歴史的偉業だったのか、という背景を端的に押さえつつ、事件の中心にいる人物たちの心理にスポットを当て、人間ドラマを重点的に描いたスピルバーグの手腕に惚れ惚れした。
単に史実を映画化するというのではなく、過去に実際に起きた事件を元にして、女性の社会進出や報道の自由などの今の時代に則したテーマを浮き彫りにする切り口が見事な上、映画として魅力的に映えるスリリングな展開、爽快な顛末など史実であるのにフィクションと見紛うほどテーマとストーリーがマッチし、メッセージ意図をも組み込んでしまうとは何とも鮮やか！
脚本、演出、演技、音楽など様々な要素すべてが出しゃばらずバランス良く全てが高品質で、既に世界的に評価されてる方ばかりだからかこの品質が当然とばかりな慎ましさすら感じられるけど、めちゃくちゃ凄いぞ！と改めて驚愕。
今年のアカデミー賞作品賞ノミネート作品4作見たけど今作が一番面白かった！なのに、スピルバーグ作品の中で一番面白いかと言うと考え込むレベルってのがホント凄い！笑
メリル・ストリープが十何回目だかの女優賞ノミネートもネタみたいになってるけど、この演技でノミネートされてないのはおかしいレベルの演技と存在感だったのでこれまた改めて痺れた。
難があるとすればトム・ハンクスの冗長的な演技くらいだけど濃いおじさんばかりなのでいい意味で目立つことなく綺麗に収まり、紅一点でありながら存在感も映画のカタルシス的にも最も輝くべきメリル・ストリープが自然に映えるように纏められていて何もかもが見事なほど。
「ツイートみたいなもんさ」とか言ってスピルバーグ史上最短の制作期間でこんな傑作をサラリと作ってアカデミー賞授賞式で司会者に「見たことありますね、お仕事はなんですか？」「ケイト・キャプショーの夫です」なんて名前を知らぬ者はいないレベルの大御所だからこそのギャグかます余裕っぷり。改めなくても本当に凄いっすよ。
「さすがスピルバーグ」って言葉を保ち続けられるほど質を落とさず常に最高傑作と呼べるレベルの作品を作り続け、衝撃のデビューから未だに最前線で活躍し続けるなんて形容できないレベルの凄まじさ。
あー、面白かった！！！
